現在(2022年10月7日時点)、MT4・MT5アプリがApp Storeで削除されており、新規ダウンロードができない状況となっている話題の件について解説します。
2022年9月24日にApp Storeで突如アプリがストアから消えており、タイミング的にロシア経済制裁の影響の可能性が高いとも言われています。今後、MT4・MT5を利用しているFXトレーダーやCFDトレーダーは活動していけるのか、大丈夫なのか不安に感じている方も多いかもしれません。本記事では現状確認とともに、トレーダーが注意すべき点についても簡単に解説していきます。
iPhoneからMT4(MetaTrader4/メタトレーダー4)、MT5(MetaTrader5/メタトレーダー5)アプリの新規インストールができなくなっているのは、MT4やMT5を採用している全てのFX会社、CFD会社、全社共通です。
AndroidのGooglePlayに関しては、MT5とMT5アプリは現在のところインストール可能です。パソコン版のMT4とMT5、WebTraderも引き続き利用可能です。
利用できなくなっているのは、iPhoneやiPadなど、App StoreにあるMT4とMT5アプリの「新規インストール」です。
新規インストールができないだけで、すでにiPhoneやiPadにMT4やMT5がインストール済みの場合は、引き続き取引に利用できます。
また、過去に自分のAppleIDアカウントでMT4やMT5のインストール履歴があれば再インストール可能なので、機種変更等あった場合でも問題なく利用可能です。
AppStoreからMT4とMT5アプリが消えた原因について
MT4・MT5の開発元はMetaQuotes(メタクオーツ社)で、本社はキプロスにあるのですが、元々はロシアの会社です。現在、キプロス本社にも多くのロシア人社員が在籍しているとのことです。トレーダーとしては、素晴らしいプラットフォームを開発提供していただけていることを大変嬉しく思っていたわけですが、今回、App Storeから消えてしまったことを大変悲しく思います。
MT4・MT5は事実上、「ロシア製」ということでウクライナ侵攻によるロシアへの経済制裁に伴い、メタクオーツ社にも制裁が課されてMT4・MT5が使えなくなってしまうのではないかと2022年の2〜3月頃にはSNSで話題になっていたこともありました。ついにきたか…という感じですね。
Appleは2022年3月にiPhoneなどApple全製品の販売停止を決断しました。
また、App Storeでも政府系メディアのアプリをダウンロードできなくする措置はすでに取られていたことのことです。今回、MT4・MT5アプリがダウンロードできなくなってしまった経緯について今のところ具体的に明らかにされていませんが、開発会社であるキプロス本社のメタクオーツがロシア企業だとみなされたとすれば、このような措置が取られた可能性があると考えられる状況ではあったと思います。
現在、各FX会社がそれぞれメタクオーツ社へ問い合わせをしているようです。メタクオーツ社のSNS、ウェブサイトなどを見る限り、ロシアへの制裁かどうかは不明ですが、アップルから意図的、あるいは一方的にApp StoreのMT4・MT5を削除されたと認識しているようです。
また、この記事によれば、アップルとグーグルが米上院銀行委員会からMT4・MT5アプリを使った暗号通貨の巨額詐欺について情報を求められており、メタクオーツ社はそれに対して反応がないという状況とのこと。これが原因であれば、ロシアへの制裁とは関係ないということになります。Googleにも同様に情報を求められている状況ですので、AndroidのGoogle Playでも新規でアプリダウンロードできなくなることもあるかもしれません。
今後の情勢如何によりApp StoreのほかにAndroidもダウンロードできなくなる可能性
ロシアではプーチン大統領が核兵器使用をほのめかし、今後さらに戦争が悪化する可能性があることを踏まえると、今後ロシアへの経済制裁がさらに強くなると懸念されます。メタクオーツ社への制裁がApp Storeだけにとどまらず、AndroidのGooglePlayもダウンロードできなくなる可能性も考えられます。事実、Googleもロシアから撤退しています。考えたくはありませんが、最悪の場合、MT4・MT5が使えなくなる可能性もあるかもしれません(ロシアへの経済制裁が原因だった場合)。
今後、公式の発表があるかもしれませんし、App StoreにMT4とMT5が復活する可能性もあります。いずれにしても、2022年10月7日時点においてiPhoneやiPadでMT4とMT5の新規インストールはできませんので、ほかの方法で対処するしかありません。
WebTraderを使う
WebTrader(ウェブトレーダー)を使うことで、iPadのWebブラウザからMT4やMT5へアクセスすることができます。また、取引も行うことができます。
MT4、MT5のWebTraderとは、アプリを端末へインストールしなくてもSafariやGoogle Chromeなどのブラウザ上からMT4やMT5のシステムへアクセスできるサービスです。
iPhoneやiPadからWebTraderにアクセスしても、パソコン版のMT4、MT5と同じような表示になります。そのため、iPhoneでWebTraderへアクセスした場合、スマホ画面内表示しきれず使いにくいため、WebTraderを使う方法としてはiPadやパソコンからアクセスして使うことになります。
FX会社から提供されているアプリを使う
各FX会社から提供されている公式アプリを使うことで、iPhoneやiPadからもMT5で取引可能です。ただし、MT4アカウントの場合、一部のFX会社でアプリにログインできないことが確認されています。取引に使う場合はMT5がおすすめです。
iPhone以外の端末でMT4やMT5を使う
パソコンやAndroid端末では取引に利用できます。
iPhone以外のパソコンやAndroid端末であれば、MT4やMT5アプリをトレードで利用できます。App StoreにMT4とMT5アプリが復活するまでの間、他の端末で対処するのが確実かつ最適な方法です。
過去にMT4やMT5アプリをインストールしたことがある場合の再インストール方法
過去に自分のApple IDでMT4やMT5をインストールしたことがあり、現在iPhoneにMT4やMT5がインストールされていない場合は、下記方法で再インストールすることができます。
- App Storeアプリを開く
- アカウントを開く
- 購入済みをタッチ
- 購入したAppをタッチ
- 「このiPhone上にない」タブをタッチ
- 履歴からMT4やMT5を再インストール
まとめ
App StoreでMT4とMT5がインストールできない今回の問題は、今後、メタクオーツ社や各FX会社から最新情報のお知らせがあると思います。ひとまず、今のところは上記方法で対処していきましょう。
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